"PLANET PARIS" KENZO 2024年春夏のウィメンズ&メンズキャンペーンでは、アーティスティックディレクターのNigoがシーズンを通じて提案する日本とフランスの架け橋を拡大している。元々ドゥビリ歩道橋(パレ・ド・トーキョーとエッフェル塔をセーヌ川上につなぐ歩道橋)にて発表されたこのコレクションは、パリの通りやサロンに入り込んでいた。市内のモニュメントや街頭で撮影された映像は、北島敬三による写真とフランク・ルボンによる動画が組み合わさり、コレクションのオーセンティックな日本的構造と、クラシカルなフランスの空間やパリのランドマークのエレガンスが絡み合う。
世界中から集められたモデルをフロントに据えたこのキャンペーンは、KENZOの核心にある異文化間の化学反応を反映している。それは、髙田賢三のヘリテージとNigoの現代的なビジョンに具現化され、メゾンを象徴するグローバルコミュニティに映し出された。この融合は、コレクションが1980年代のポップ、ファンク、ブギーという音楽のミックスメランジュに触発されたシティポップの思い出を反映している。キャンペーンのパリの環境の中で再コンテクスト化されたワードローブの日本的なシルエットと西洋的な環境は、パリのファッション領域に非西洋的な影響を導入することでNigoのビジョンの中にあるコードスイッチに響き合う。
このキャンペーンは、メゾンの所在地であるRue Vivienne(ヴィヴィエンヌ通り)、歴史的なパリの旗艦店があったヴィクトワール広場、凱旋門とその地下鉄、そしてかつてカール・ラガーフェルドが居住していたとしてよく知られるオテル・ド・ソイエクールで撮影された。前回の2023年秋冬のキャンペーンでは、写真家・北島敬三と映画監督・フランク・ルボンを日本に招きコレクションの撮影を行ったが、今回はフランス・パリにて日本の写真家とイギリスの映画監督がクリエイティブな対話を続けている。北島敬三は春夏2024のコレクションを日常的なポートレートで撮影し、一方、フランク・ルボンはモデルにパリで最も好きなものを描くよう依頼。この絵画的なアプローチは、動画の随所に登場するトロンプ・ルイユ(だまし絵)の背景にも反映されている。
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